2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
『ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学』 藤井光 翻訳者によるエッセイ。 アメリカ文学の古今を網羅したガイドかな? と思ったら、 作者の翻訳業に軸足をおいたエッセイ集でした。 つまり作者が翻訳に携わった作家が主に語られる。…
『8号室―コムナルカ住民図鑑』 ゲオルギイ・ワシーリエヴィチ コヴェンチューク 片山ふえ:訳 作者は1933年レニングラード生まれの画家。 愛称は「ガガ」さん。 自由な作風で、旧ソ連時代は冷遇されていたそうです。 ところで、コムナルカ。 旧ソ連時代特有…
<読書メモ 2016年11月 ③> カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。 『奪回指令』ジョゼフ・ガーバー 熊谷千寿:訳。 主人公チャーリーは元CIA工作員で 連邦刑務所から出所したばかり。なにやったんだよ。 で、ロシアのスパイに奪われた新兵器の奪回…
久しぶりに丸谷才一氏のエッセイを読み返した。 相変わらずうんちく含有量が高いなあ〜。 よくもまあこんな軽やかにに知識から知識へと 逍遥できるものだなあと、感動する。 『猫だって夢を見る』は、 雑誌「オール讀物」に1988年から1989年にかけて 掲載さ…
『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』 ウェンディ・ムーア 矢野真千子:訳 意外と知られていないけれど、 マニアの中では有名人、という感のある 解剖医ジョン・ハンターの一代記。 (ゆる言語学ラジオの堀元さんが大好きでおなじみ) 皆川博子御大の『開…
<読書メモ 2016年11月 ②> 親戚の大おばあちゃんの遺品に時代物小説が少々ありまして。 その一部の<居眠り磐音>シリーズが なぜか3冊(しかも23〜25)しかなくて積読していたのを、 まとめて読みました。 カッコ内は、2022年現在の補足コメントです…
『うろん紀行』 わかしょ文庫 作者のお名前が「わかしょ文庫」さんだそうです。 そして出版社の名前は「代わりに読む人」社。 奥付が混沌としている笑 作者が月に一回、本に関わるどこかにおでかけする というエッセイ。 第一回は笙野頼子『タイムスリップ・…
『ペンタメローネ』 ジャンバティスタ・バジーレ 三宅忠明・杉山洋子:訳 読了! 『ペンタメローネ』は 主にイタリア地方の昔話を集めて書かれた 17世紀の民話集。 はい。 突然ですが問題です。 『ペンタメローネ』は、 グリム兄弟よりも、シャルル・ペロ…
『屈辱の数学史』 マット・パーカー 夏目大:訳 めちゃくちゃにおもしろい! ウンチク含有量が高い! コスパ最高の一冊である。 一番好きなエピソードは、 前半に出たカレンダーの話。 世界的にグレゴリオ暦が一般になったにもかかわらず、 ロシアは近代まで…
<読書メモ 2016年11月> カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。 『スペイドという男 ハメット短編全集 (2)』 ダシール・ハメット/稲葉明雄訳 ハメットを知らず、 代表作の『マルタの鷹』もタイトルしか知らず、 サム・スペイドという探偵も知らなかっ…
『上流階級 富久丸百貨店外商部』 高殿円 高級百貨店の外商部のお話し。 って。 「外商部」! 初耳です!! 新鮮!!! 百貨店に一定以上の金額を落とす上得意の担当営業をするのが 外商部の仕事だそうです。 自宅まで注文の品のみならず、お気に召すと思わ…
『マーティン・イーデン』 ジャック・ロンドン 辻井栄滋:訳 作者ジャック・ロンドンの自伝的小説と言われているけれど、 それはさておき、すごい熱量。すごいおもしろい。 主人公マーティン・イーデンはザ・労働者階級。 ふとしたきっかけで知り合った上流…